Back

Creativity starts with “Good morning!” | Yuri Aranishi | TEDxKyotoUniversity

0:00
0:00
Alt/Option + P · ← →
Subtitles
100%
Transcript Viewed 0 / 330
Jump to sentence plays continuously
Japanese
1
翻訳: Hiroko Kawano 校正: Ai Tokimatsu
2
おはようございます
3
ありがとうございます
4
はあ 6時間経ちました
5
私は今日この場所に
6
「おはよう」という言葉が 言いたくて来たんです
7
6時間ですよ 長かった
8
皆さん だから リラックスして聴いてください
9
私の話は肩肘張って聴くようなものじゃなくて
10
リラックスして ゆっくり 呼吸をしながら聞いて欲しいんです
11
そう 私が今からお話するのは
12
たった3つの 皆が知っていることです
13
1つは 「おはよう」
14
今 こんな言葉をいう時間 じゃないっていうことです
15
もうだって 夕方ですよね?
16
私は今日 寝起きを想像して こうしてパジャマを着て
17
テディベアまで持ってきて
18
この格好を見た 私の母がひと言
19
「えっ?おやすみのスピーチをするの?」
20
違います
21
私は今から「おはよう」 についてのスピーチをします
22
私のスピーチで大切なのは
23
元気に「おはよう」という たったそれだけです
24
でもやっぱり皆さん 知っているんです
25
「え?今さら『おはよう』なんて 言われなくっても知ってるよ」
26
そうでしょ?だって何年間も言ってきた
27
訊いてみたいと思います
28
今朝 元気に「おはよう」って言った人 どれくらいいますか?
29
おー たくさんいる
30
(笑) ありがとうございます
31
でも 挙がっていない方も 安心してください
32
今 手をあげてもらいましたが
33
私は元気に「おはよう」と言えたか 言えなかったということの話をするんじゃなくて
34
その先の なんで元気に おはようと言えたのか?
35
なんで言えなかったのか?
36
「おはよう」について考えて欲しくて ここに来ました
37
そう 考えるということ
38
脳を使うということです
39
皆さん やっぱり知っているんです
40
3つ目です
41
誰もが ここにいる人はきっと 脳の大切さを知っている
42
だからこうして たくさんたくさんの 楽しいスピーチを聴いてきて
43
今も私の話を楽しみにしてくれる
44
私は今日
45
「おはよう」と脳の大切さ
46
その関連性を話しにきたんです
47
さっき手を挙げていなかった人 すいません
48
安心してください と言いました
49
そう 安心して欲しかった理由は もう一つあります
50
私はもうずっと「おはよう」 っていう言葉が言えませんでした
51
え?今しゃべれているじゃん?って
52
耳や口の話じゃなくって
53
私には「おはよう」って言えるだけの
54
元気な体や 人とコミュニケーションする
55
そういう力がなかったんです
56
中学のころの話で
57
私は当時不登校でした
58
え?不登校? そんなに珍しい話ではないですよね?
59
知っていますか?
60
不登校って今はもう中学校では
61
クラスに1人はいてもおかしくないと 言われている
62
これって むしろ 流行っているって 言いませんか?
63
私 当時 だから流行の最先端だった
64
このパジャマだから おしゃれに見えません?
65
この子ともお揃いなんです
66
ほら ギンガムチェックで
67
でも これ 両方とも借り物なんです
68
これは友達に借りて
69
こっちなんか 私のお父さんのもので
70
(笑)
71
でも不登校について皆知っていても
72
勘違いしている人は実はすごく多い
73
どういうことかっていうと
74
私が学校に行けなかったって いう話を人にします
75
すると大体みんなこう言うんです
76
「学校で何かあったの?」 って心配そうに
77
大丈夫 私 学校で何もなかった
78
むしろ 学校に行きたくて行きたくて たまらなかったんです
79
それなのに 体だけがとても悪くなっていって
80
学校に行けなくなった
81
どれだけしんどかったっていう話は この格好を見てください
82
私はこの格好が制服でした
83
セーラー服とかそんなんじゃなくって
84
一日中これを着て過ごしていた
85
着替えられる元気や 「おはよう」と 言えるだけの元気がなかったんです
86
でも そんな状況で 内科に行くんです
87
あまりにも体が悪いから
88
何にも結果が出ない 原因不明
89
原因不明ってなったら
90
「あれ もう私 心が悪いのかな?」って 「サボりなのかな」って
91
最初は体が悪かったはずなのに
92
だんだん心の問題になっていった
93
そう そうやってどんどん 自分を追い詰めていったんです
94
今はそんなことないと言えるんですよ
95
私は当時サボりなんかじゃ絶対なかった
96
みてください 私 今 すごく元気です
97
飛び回れる(笑)
98
でも当時はそんなことできなかったし
99
どう考えても 当時の私と今の私は 別人のように違う
100
いま私だからドッペルゲンガーかも しれませんよ(笑)
101
けれど でもそんなとき
102
当時はそんなことなんて思えなかった
103
なんで思えなかったかって それ以上考えることができなかったんです
104
イメージです
105
私は当時あまりにもしんどくって 頭が動かなくなっていた
106
私の脳はきっとこんな感じだったんです
107
みなさん 脳を持っていますよね?
108
その周りに二重も三重も分厚い膜が覆っていて
109
それが脳をどんどんどんどん圧迫する
110
そうなって圧迫していったら 脳は全然動かない
111
動かそうとしても それだけでしんどくなってしまうんです
112
そんな状態で何年も過ごして
113
中学はなんとか卒業して 高校に進学をして
114
そんなとき 親が見つけてくれた病院で
115
私は睡眠障害と診断を受けました
116
睡眠障害 こっちはもしかして
117
皆さん あんまり聞いたことがないかもしれない
118
きっと 明日の朝 みなさん起きて 「睡眠障害」「当事者」で調べてみたら
119
真っ先に私が出てきますよ
120
検索してください 私を(笑)
121
そんな感じであまり知られていなくても
122
実は睡眠障害も結構数が多いんです
123
もう不登校とそんなに変わらない 中学生の子供たちが
124
基準を満たしていると言わている
125
でも睡眠障害の基準を満たしていなくても
126
きっと皆さん 睡眠に何かしら問題を抱えている 人ってすごく多いんじゃないですか?
127
今朝 もうここに来るために すごく早起きをした人もいるかもしれない
128
眠い眼をみんなこすって必死に 毎朝学校に行ったり 仕事に行ったりしている
129
私 学校に電車で行っていますが
130
きっと皆さん朝 お見かけしたら 皆さんゾンビかもしれない
131
私もたまに毎朝ゾンビになってしまうかも
132
なかなか朝一番から元気に 過ごせる人なんていないんです
133
そう 誰でも睡眠障害になる可能性はある
134
でもそうやって 誰もがなりうる 可能性があるからこそ
135
誤解というものが起きます
136
不登校の時もそうだった
137
え?たかだか睡眠の問題でしょう?
138
たかだか学校へいけないだけでしょう?って
139
努力が足りないんじゃないの?って
140
実はこれ 言われたんじゃなくて 私自身が一番そう思っていた
141
周りからそう思われているんじゃないのか っていう不安が
142
どんどん自分の心を追い詰めていった
143
体だけが原因じゃなくなった理由です
144
でも 聞いてください
145
睡眠障害はそういった決して サボりそういった状態ではありません
146
ただ睡眠のリズムが崩れた それだけの話じゃない
147
聞いてください だって私
148
睡眠障害で半年間近く入院しているんです
149
眠りの問題でですよ
150
え?って
151
私自身が一番ビックリしました
152
たかだか睡眠で入院?って
153
そのとき私 入院前に睡眠表 というものをつけていました
154
自分が眠っている時間を表す こんな表です
155
黒いところが眠っているところ バラバラなのがわかりますか?
156
ピチピチの16歳の女子高生です
157
若かった 若いけれど この睡眠じゃ体が持たない
158
これを見た当時の私の担当医は一言
159
これグダグダだねって
160
ここまでなってしまったら 一人で治すのは難しいんだ
161
それは 治すのが難しいのは
162
睡眠障害は睡眠のリズムを整えるだけじゃない
163
朝「おはようと」言えるような生活に戻すまでに
164
自分で 脳で考えて治して いかなきゃいけないからだ
165
でも 睡眠障害の子供たちは 皆 考える機能が低下している
166
睡眠障害は脳の機能の障害なんです
167
そう 私はそうやって入院生活を行って
168
最初は脳の機能の障害って言われても あんまりピンと来なかったけれども
169
入院して行くうちに だんだん朝「おはよう」 といえるような生活が戻ってきました
170
退院前の私はすごいんです
171
この夜の10時と朝の7時に ラインが引いていると思うんですけれど
172
このラインにずっと毎日 ぴったり 黒い線がそろっていた
173
毎日毎夜 夜に10時に寝て 朝の7時に起きる
174
9時間睡眠のこの生活を ひたすら繰り返していた
175
睡眠障害の私がですよ
176
ここの誰より 今の私より
177
誰より規則正しい生活を送っていたんです
178
これ おかしくないですか?
179
私 病気なんですよ
180
そうおかしいんです
181
私 睡眠が整って退院しました
182
でも退院した後も やっぱりこうなってしまった
183
あまり変わらないの わかりますか? ガタガタです
184
戻っていたはずの睡眠のリズムは
185
またすぐに崩れてしまった
186
でもこのときの私は 前の私とは違いました
187
もうこの頃には もしかして 入れ替わっていたかもしれない
188
私 ちゃんと学校には行っていたんです
189
毎日ではないけれど 退院してから 元いた全日制の高校です
190
戻りました
191
なんで学校に行けたんだろう?って 少し考えてみると
192
私は周りの人の支えに気づいたからだって いうことに気づきました
193
入院する前は自分のことが精一杯で
194
そして自分自身で責めてしまうくらい
195
周りのことが見えていなかった
196
でも体の調子が整い始めて 初めて心に余裕ができて
197
周りのことが見れるようになった
198
すると私の周りには
199
両親や 友達や 学校の先生や 病院の先生
200
いろんな人がいることに気がついた
201
ふと思ったんです
202
あれ?私 入院中に 一番大切にしていたものは何だろう?って
203
それはやっぱりコミュニケーションだったんです
204
それも病院の先生とかだけじゃなくて
205
同じ病気を持った 同じ睡眠障害の子供たちとの コミュニケーションが
206
私をここまで きっと 良くしていった
207
なんでかっていうと 睡眠障害は体だけの問題じゃない
208
心だけの問題じゃない
209
脳の障害なんです
210
考える力を取り戻すために私は入院していた
211
それはきっと自分と立場の違う人からの 支えだけではなくて
212
自分と同じ立場の人たちと コミュニケーションすることで
213
もっと良くしていこう 良くしていこう
214
私たちが自分自身が良くしていくためには
215
どういう工夫をしていったら
216
どういうアイデアを出していったら いいんだろうっていうことを
217
自分たちでコミュニケーションを 通して考えていったからです
218
そう 入院で得たものは考える力だった
219
私は退院してからも聞いていました
220
入院のときと同じように
221
みんな退院してからどうしている?って
222
いまはSNSがすごく便利です
223
電話でもLINEでも なんでも聞ける
224
聞いてみるとやっぱり 皆 退院してすぐには治っていなかった
225
でも 病気の自分を抱えながら 社会となんとかすり合わせて行こうって
226
必死でアイデアを考えて 創意工夫していたんです
227
でも私みたいに 自分一人では限界がある
228
だって自分の症例しかわからなかったら
229
どうやっていけばいいのかわからない
230
だから新しいアイデアを欲するために
231
同じような仲間たちとの情報交換が すごく必要だった
232
だから私たちは情報交換をしていきました
233
すると私 1年後には こうなったんです
234
さっきより良くなっているの ちょっと わかりませんか?
235
まだ完全に学校に行けた訳じゃなかった
236
休む日もたまにはあった
237
けれども 朝「おはよう」といえるような 生活がようやく戻ってきたんです
238
ちゃんと退院してからも
239
そう 私はこれで 無事になんとか 高校を卒業して
240
ついでにパジャマも卒業して
241
今 着ているんですけれどね
242
けれど そして私は大学に 進学できるようになった
243
大学に進学しようと思ったのは
244
もちろんしたい勉強があったからなのは 一番なんですけれども
245
このまま社会に出てしまったら
246
私はきっとたくさんの健康なみなさんと 闘わなければいけない
247
もっともっと自分がまた潰れないために
248
自分のことを考えるために
249
大学生ならもっと工夫が できるんじゃないだろうか?
250
そう思って進学しました
251
これが今の私です
252
みなさんの前に立てるくらい健康になっています
253
医師からも もう普通の人と変わりがないねって お墨付きまでもらいました
254
でも私だって100%元気な訳じゃない
255
毎日毎日「おはよう」って言えるわけじゃない
256
誰でも そうですよね
257
皆 常に100%とは限らない
258
何人かのスピーカーの方が もう既に言っているように
259
人間は万能じゃないし 雨の日もあれば 晴れの日もあるんです
260
だから皆 日々 工夫をしていかないといけない
261
私は大学に入ってからも工夫がしたかった
262
今になっても もっと工夫がしたい
263
そしていま現在苦しんでいる子供たちに
264
自分が考えている力が 役に立つんじゃないだろうか?
265
そう思って 「おひさまの家」 という団体を作りました
266
睡眠障害の当事者の団体です
267
おそらく全国でここしかないかもしれない 全世界でもここしかないかもしれない
268
睡眠障害の子供たちはたくさんの苦しみを受けて
269
心の苦しみ 体の苦しみ 脳の苦しみ
270
自分たちで考える力を取り戻そうとしている
271
だからアイデアをどんどん出していく場をつくりたい
272
そう思って 私は仲間とともに つくりました
273
まだホームページもないようなちっちゃな団体です
274
作ってくれる人がいたら募集しています
275
でも それでも私たちには価値がある
276
だって睡眠の問題を抱えている人は こんなにきっとたくさんいる
277
そう思って今は NPO法人をめざして活動しています
278
そう 私は 今きっと創造的に 活動できていると思います
279
それは何故かって 自分の脳の疲労に気がついて
280
どんどん自分の脳を守っていこうっていう 方向に考えを変えていったから
281
この 自分を良くしていこう 良くするためにどうしていこう?
282
そういう風に考える そんな向上心 きっとみんな持っていると思うんです
283
私はそんな向上心を 創造性の卵だと思っています
284
創造性を発揮する前の その一歩前の段階
285
自分をもっと良くしようという それが創造性の卵だと思うんです
286
誰もがきっと脳の中に 創造性の卵を持っている
287
でも脳が疲れていたら この創造性の卵は とても繊細だから
288
簡単に圧迫されて壊れてしまうんです
289
そう 私はだから脳の疲労に 皆に気づいて欲しい
290
皆さん 脳の大切さは知っているって さっき私 そう言いました
291
でも脳を使うことばかり考えていませんか?
292
休めることをおろそかにしていませんか?
293
自分の中にあるせっかくの向上心
294
創造性の卵をないがしろにしていませんか?
295
創造性の卵を守るために
296
脳の疲労に気づくために
297
たった1つ とても簡単なアイディアがあります
298
それが皆さんがもう既に知っている 「おはよう」です
299
「おはよう」と言える自分を想像してみてください
300
きっと朝 元気に起きて 人とコミュニケーションとれるだけの
301
体と心 そして脳がなかったら
302
「おはよう」なんて元気に言えないし
303
「おはよう」というコトバについて 考えられないはずなんです
304
「おはよう」です
305
試しに私はアンケートを取ってみました
306
睡眠障害の退院患者の子供達 一般の人たち
307
合わせて50名に2週間の方たちに
308
朝「おはよう」と元気に言えるかどうか
309
そしてそのときの 体や心の調子はどう? っていうアンケートです
310
きいてみると「おはよう」って元気に言える人は
311
体の調子 心の調子がとても良いことがわかった
312
そうじゃない人は
313
体の調子や心の調子が すごく悪いことが分かった
314
アンケートの感想にこんなものがありました
315
朝「おはよう」ということで 今の自分の調子に気づけた
316
なんだか調子も良くなった気がするって
317
そう 「おはよう」は今の自分に気づくための そんな簡単な言葉なんです
318
指標なんです
319
明日からでも試せる簡単なアイディアなんです
320
私は今 今日最後のスピーチ
321
今日の「おはよう」からは 一番遠いところにいるかもしれない
322
けれど 私 今日 今これで幸せだったと思います
323
だって私 今日のラストってことは
324
明日の朝に一番近いところにいる
325
みなさんの明日の朝のことを 私は考えています
326
みなさんの明日の朝の創造性と そして脳の疲労
327
元気な「おはよう」そんなことを願って 最後に「おはよう」で締めます
328
ありがとうございました
329
「おはようございます!」
330
(拍手)
Scroll to Top